明日は親族の家へ、向かおうかと。
1人、取り残される人がいるので。
別に、放っておいてもよかったのですが。
少々、気が向いたモノでして。
相手をしようかなと。
──あぁ、僕にしては珍しい行動だと思います。
僕は基本、個人主義者で。
一人の時間を大事にするので。
そのまま単独行動をしていればいいモノを。
他者と連むなんてのは──『宗旨替えか』と思われても、致し方ないことなんじゃないかと。
しかしながら、今回は特別なのですよ。
僕は身内には、甘いので。
それに──彼もちょっと、不憫ですから。
古希にも、傘寿にも訃報が来るとは。
お祝いをこれほど長らくお預けを喰らうなんぞ。
僕自身の身に起これば、耐え難いモノだしなぁと。
予定されていたことが中止になるのって、誰のせいでもないのに。
どこか屈辱的な思いを抱いてしまうのですよ──僕だけでは、ないと思いますが。
それにあの家、陸の孤島ですし。
今のところあの島で支援者の役割を演じざるを得ないのは彼なので。
少しは、労りたくもなるのですよ。
このような性質の僕でさえも、です。
──と、言うわけで。
道中で酒でも調達しますかねぇ。
待っててくださいな。
──おじいさま。