ここ何年か。
虚無を飼っています。
最初は、野蛮なペットだなぁと思っていたのですが。
それもその筈でして。
それは、僕を構成する一部なのです。
であれば、僕を振り回すことなんて余裕なのですよ。
ですが、虚無って。
別に、暴れ回ったりしないのですよ。
アレは、ただそこにいるだけなのです。
それにより暴れ回るのは──他でもない、僕なのです。
ですから。
虚無に支配され我をなくしたとしても。
免責される謂れは、ないわけです。
だって、そうじゃないですか。
虚無は、僕のペットです。
飼い主がペットの責任を取るなんて──当然のこと、ですから。