なんとなく、妄想しています。
「自分は生きていていいの?」と言われた日のことを。
そのとき、わたしは。
なんて答えるのだろう、と。
と、言いますか。
何を答えるのが、正解なのだろう、と。
思うことは、間違いなく。
「自分の与り知らぬところでありたかった」なのですが。
こうして、対峙しているところを想像すると。
わたしがその人に対して思った通りのことを言うとは、思えないのです。
少なくとも、別の言語に変換して。
当たり障りのあることを、言うんじゃないだろうかと。
ただ、そのときの言葉が。
何になるかが──どうにも、具体にならないのです。
「そうだよ」とは単純に言わないと思います。
「生きていちゃいけない人なんていないよ」と言う一般論も言わないと思います。
「当たり前じゃないの」と言うような。
実証不可能なことを安易に言わない気もします。
それとも、その場凌ぎの言葉を使わぬよう。
何度も言葉を選んで──何かを言うのでしょうか。
そのとき、考えに考え尽くして。
「いいえ、あなたは死ぬべきだよ」と言うことが──あるんでしょうか。
「ない」と断言するには。
この事象はどうにも、実証不可能で。
ちょっとだけ、紫煙のようにぼんやりと。
考えてしまうのでした。
そんな時間が。
いまは、とっても──愛おしいのです。