暦の上では立冬を超えているので冬なのですが。
細かいことは気にしたら負けですよね、わかります(分かってない)←
さて、と。
秋に覚えている光景を、1つ再生してみましょう。
川が流れています。
足元も覚束なくなるほどの、夕暮れに。
ススキの揺れる音と。
虫の音を聴きながら。
キィ──きぃい──と。
錆びついた自転車を漕いでいた日を。
リリリリリリ……
こうして、1日が終わるんだな──と、思った記憶があります。
それと同時に、明日を願うまでもなく迎えてしまうのかもしれない、とも。
また、わたしは生き残ってしまったのか──と。
もしかしたら、先の報せの主は。
明日の陽射しを浴びて、背伸びをしたかったかもしれないのに。
あぁ──こんな暗がりなのに。
太陽光線はいつも恨めしいほどにわたしの眼窩を焼くのか──なんて。
思いながら、何度も。
キィ……きぃい…………と、ペダルに力を入れたのでした。
もう、あの日から4年ほど経過したみたいです。
あのかたが生きていたら、また京都を巡りたかったなぁ──と、思いつつ。
あのときの音が、聞こえて離れないのでした。
えぇ、それが──今のわたしにとっての、秋の歌。
キィ……きぃい…………
りりりりりり……ざわ……サー………………
今週のお題「秋の歌」