暇であることが苦手です。
何か考えたり、動いたりしていないと気が済まないのです。
なぜなら、暇なときのわたしは。
どこまでも、何をしでかすか──分かったモノではないから。
人はなぜ、逸脱をするのか──魔が差すから。
なぜ魔が差すのか──それ以外にやること考えることがなかったから。
であれば、逸脱せぬようするには。
魔が差そうが誘ってこようが──別に集中できることがあればよい、と言うことになりましょうか。
そう、理性でなんとかなる範囲のことしか。
起きないように、起こさないようにしていれば──です。
……えぇ、衝動とは抗い難いモノですから。
そんなのが起こったら理性なんて恐慌後のマルク紙幣並の紙屑のようなモノですよ。
なので、衝動をそもそも起こさないようにすること。
即ち──トリガーをロックしてしまうこと。
そもそも銃を保持せず、他のことに集中すること。
──そんなことが、必要になってくるのですね。
……ですので。
そうですねぇ、先月終わりくらいでしたでしょうか。
ノーマスクで護身用の武器を用意して行進しよう、なんて呼びかけがあったかと思うのですが。
あれは最悪でしょう、本当に──感染源になる、と言うのもその通りですが。
武器の所持を推奨するなんて。
超えてはならないところを超えていました。
そりゃあ、警察にしょっ引かれても文句は言えないでしょう。
ちょっと、あれは──なかった、ですねぇ。
……と、ちょっとだけぼやいてみました。
魔が差すなんて、簡単ですから。
殺すつもりがなかった──なんて、殺人犯が言うのをニュースで見るたび。
その取り巻きが「じゃなければ殺しはしないだろ」と言いますが。
それは、おかしな話です。
人は殺そうと思っていなくても──殺してしまうことだって、あるのです。
デーブ・グロスマンの『戦争における「人殺し」の心理学』ではないですけどね。
でも、実際そうなのですから仕方がありません──人は自身の選択により罪を背負うしか、ないのですから。
……え、まさか。
殺人犯の肩なんて、持ちたくありませんよ──罪を共に背負おうなんて気概、わたしにはありませんし。
ただ、思うのです。
わたしも一歩間違えれば──そうなっているに違いない、と。
案外、紙一重なモノですよ──超えないで済んでいる一線、なんて。
嗚呼、これを自覚しているわたしがこの先も──手を赤く染めずに、済むといいのですが。