気分一致効果、と言うのがあります。
何かを記憶しようとしているときの気分とそのときの記憶する内容が一致しているときに覚えやすくなる──と、言ったモノですね。
なので、楽しい気分のときに。
それまた楽しいときの記憶が蘇ってくる、と言うのは。
この点から言っても、自然なこと。
と、云り──です。
確かに、認知症に罹ったかたで。
「何も思い出せない」と仰るかたがいるときに。
昔々、よく聴いた音楽や。
その風景を撮った写真を見せたりすると──するすると、思い出を語る──なんてことも、ままあるのですけども。
こう言うのもあります。
気分が悪いときに記憶し易くなるモノの、気分がいいときに関してはこの限りではない──と言う、モノです。
別に、気分がいいからと言って。
タタタと華麗にステップを踏むように、ダダダと正しい記憶が蘇ると言うわけではないんですよね。
逆に、気分の悪いときのほうが。
覚えることも、思い出すことも──精度が高い、と言われているのです。
……じゃあ、楽しい気分のときに思い出す楽しい記憶。
強いて言えば──認知症に罹ったかたが当時の音楽を聴いたり風景を見たりして思い出す楽しい記憶とは。
果たして、正しいモノと言えるのか。
これは、けっこう微妙なところなんですよね。
──とは言いつつも。
その人が楽しければいいと思いますし。
自分の記憶で自己完結できることであるならば。
それもそれでありなんじゃないだろうか、とも思うわけです。
周囲が、どれだけ間違っていると指摘しようとも。
その人が楽しいとか、幸せだと思っていて──且つ、正しいと思っているのであれば。
果たして、間違っているのはどちらなのでしょう。
なんて考え始めたら、止まらなくなるので──ここで強制終了です、はいっ←