長く生きれば生きるほど。
発する言葉が具体的になっていく。
……なんて、思っていた時期が。
わたしにもありました。
実際には、逆で。
どんどん、抽象的な言葉が出てくるようになりましたね。
具体的な話をしてしまうと。
身バレのリスクが高まる、と言うのもそうなのですが。
自分の考えていることを発信するとなると。
元から抽象的なモノでありますゆえ。
それを具体的に変換するとどうなるかと言えば。
自分の考えているモノからさらに2段階、変換したモノをアウトプットしていることに他ならず。
それって最早、ベツモノでは。
なんて、思い始めたんですよね。
それに、分かる人にだけ分かればそれでいいや。
いや、それどころかですよ。
別に誰一人分からなくてもいいや。
自分さえ分かれば、それでいい──とすら、思うようになってきたのでさぁ大変。
どんどん、分かり易く変換しなくなっていき。
遂には分かる人を選ぶ文章の羅列となって、皆々様の元へ届けられるようになったのでした。
──うん、いいですね。
こう言うのが、いいのです。
そのほうが、面白いですから。
寧ろ──これで分かる人がいて。
「あなたはかくかくしかじかでこう言う意味で言っているのですね」なんて。
図星を突かれることがあるとしたら。
そのときは、莞爾として相手に向け。
『その通りです。ちょっとお話しませんか』とでも、言えるでしょうから。
──その日が来ても来なくても、どちらでもいいんですけどね。
わたしはわたしのしたいこととするべきことを、していくだけなのです。