明日は献血に行く日。
しっかり搾られ、捧ぐといたしましょう。
有効活用していただければ。
それ幸い、ですから。
研究用途なら、結構ですし。
輸血が必要なかたに使用される、と言うことであれば。
それもまた、よしです。
中には──輸血する間もなく亡くなるかただって、いらっしゃいますから。
あぁ、それにしても。
もうすぐ77年ですか。
そんな昔に生きていたことはないのですけども。
幾度も話題に出てしまえば、思いを馳せざるをえません。
こんなこともあった、と言うことについては。
忘れずにいたいモノです。
輸血どころか。
一瞬で影にされたかたもいらっしゃった、と聞きます。
献血事業自体は、戦後に開始されましたから。
安定して安全な血液を手に入れること自体、難しかったでしょうが。
被曝しボロボロになっていく身体に血液を供給しても。
治らないモノは治らなかったでしょうし、進行を遅らせるなんて夢のまた夢だったことでしょうから。
それを考えると、ひどい時代だったなぁと思います。
それあって、今の時代を生きているわけなんですが。
──今の時代はひどいモノかって?
さぁ、どうでしょう。
一説に依ると。
古代ローマ時代に人々の求め得られる快楽が最高潮に達し。
それからガクンと落っこちて。
現在、また最高潮に達している最中──なんて話も、あるみたいですが。
わたし自身、今の時代以外を生きてはいませんので。
比べようがないために、ひどいも何もないと言うのが本音です。
ただ──不満と言う不満は。
この時代に対しては、特に抱いていない気はしています。
自分のやったことで、現在の自分がいるわけですし。
周囲の環境が変わったところで、自身の本質的な部分は変わりようなかったでしょうから。
今よりもひどい時代になろうが。
いい時代になろうが。
わたしは今後も、不満と言う不満を抱かず。
死ぬまで生き続けるんだと、思っています。
──明日は献血に行く日。
しっかり搾られ、捧ぐといたしましょう。