3月16日と言う字面を目撃するたび。
胸の内が疼く自分がいます。
よく見るからでしょうか。
それとも──えぇ、そうでしょうね。
お元気でしょうか、あの子は。
まだ、自分がXジェンダーであると認識しないようにしていた頃。
自分は、恋多き人でした。
恋とは何かを、探していたので。
初恋を、5歳で経験しました。
告白も何度かされましたし、何度かしたこともあります。
前者の場合、全部振っていたのを思い出します。
なぜでしょう──たぶん、そうですね。
大して興味の湧いてなかった対象を。
興味のある対象として認知することが、難しかったからでしょう。
例えば、わたしは。
ファッションに関する興味が、絶無なのです。
何と何と合わせるのがいいか、と言うのは。
何となくあっても。
なければ、秒で諦めますし。
欲しいと思わなければ、相手に求めることもありません。
興味がないからです。
それは、人についても同じです。
興味のない人から「好き」と言われて。
「付き合ってほしい」と言われても。
何もできることが、ないのです。
寧ろ、数値とのほうが付き合えると言いますか──習うことですし。
なので、振りました。
貰えるだけ貰って、肝心なトコで一蹴していたのです。
──3月16日が誕生日の子は。
その点で言えば、何度も告白して。
全部振られた相手でした。
しかも、それで関係が終わらない人でもありました。
こちらは執着しているし。
相手は疎まず近付かずの状態。
そして、優しくはしてくれる。
そんな人だったので──自分は依存していたのだと思うのです。
そして、あるとき。
わたしにも別の関心事を見つけてそちらに邁進し。
そう言えばあの子はどうしたかなぁと。
連絡を取ってみたんですよね。
そうしたら……なんだか、急に。
冷めてしまったのです。
そのときには、その子に殆ど興味がなかったからでしょう。
連絡を取って完全に興味を失したわたしは、二度と連絡を取りませんでした。
そう、なので。
最初の文は、便宜上書きました。
あの子はどうしているのかって?
生きてはいるんじゃないですかね。
生き残っていればいいなぁ、と思っています。
わたしの中では──ずっと、生きたままですから。