自分には。
羨ましい、と言う感覚がないと思っていたのですが。
昔、生活圏で「大蛇を見かけた」と言う子が続出していたときに。
その一帯を何度もランニングしていたにも拘らず。
一切、出会さなかった──なんて、話をしていたときに。
「なんで会わないんだろうなぁと羨ましく思いましたよ」と。
ポロッと、出てきましたので。
どうやらわたしにも、羨ましいと言う感情くらいは持ち合わせていたんだなぁと。
そう、思い始めましたとさ。
少しは自分の人間らしいところを再発見できたからか。
いま、鼻歌交じりでキィを叩いています。
ふふーん←
……え、なんで大蛇に会いたいのかって?
それ、話をしていたときにも言われたのですが。
そうですねぇ。
色んな子から、発見の報告を受けていて。
その子達は、生の知識を得ているわけですね。
そのとき思ったことや感じたことと言うのを、保持しているわけです。
ですが、当時のわたしは。
大蛇どころか、カナヘビにも出会しませんでしたので。
そんな、見るからに「やばい」と思うモノを見て。
ゾクゾクするかしないかすら、よく分かっていないんですよね。
だから、見たかったんです。
自分が生きているからこそ得られる知見を得られていないことについて。
ちょっと、羨ましかった。
そう言うことなんですよ……んー、そうですね。
そう言うモノを見ると生の知識として取り入れられるかは。
また、別ですけどね──目の前で真っ逆さまに落ちて、骨を突き出して。
ぎゃーぎゃー泣いている同級生を見ても。
心が静まり返っていたのを、考えると──ぐぬぅ。