シンメトリー大好きなので
最初に、ちょっとだけ。
訊いてもよいでしょうか。
あなたは、自己肯定感が高いほうですか?
それとも、低いほうですか?
わたしの場合には──どちらでもないんです。
その指標、よく分からないので。
あってもなくても、自分が自分であることについては。
変わらないので。
自分を肯定しているかとか。
していないかとか。
気にしたこと、ないんです。
なんなら、肯定しながら否定していることもありますし。
だって、アンビバレントな生き物じゃないですか。
人って──思考って多面的なんです、すっごく。
その、どちらをより意識するかってことですよね。
わたしはどの方面でも意識するので、どちらでもないんです。
なので、自己肯定感については。
ないんだと、思っています。
自己はまぁ、「こぎとえるごすむ」の通りですが。
だからなにか、と言う←
……じゃあ、自分を好きになったり。
嫌いになったりしないのかと言えば。
聡明な皆さんであれば、「それはない」と思うでしょう。
好きで嫌い、嫌いで好き──そんなモノでしょう、人って。
と、言うので。
自分をちょっと好きになれたときってどんなときかと言えば。
自身の悪性を、自覚したときですね。
割と腑に落ちたんですよ、不思議なことに。
摘出しようとは、思えなかったんです。
寧ろ、使うに越したことないなぁと思いました。
誰も、自分の何が悪性で。
善性か、上手く判断ができないままであればいいんです。
自分だけが知っていればいいんですから。
自分の悪性を自覚したら──やっと、やっとですよ。
自分が、自分だけのモノになったんです。
これほど素晴らしいことって、ありますかね。
と、言うことで。
皆さんは──あなたは。
自分のこと、どう言うきっかけで。
少しだけ、好きになれましたか?