……寒い。
なんででしょうねぇ。
気温が下がっているから、と言うのは。
仰る通りなのですが、そう言う意味じゃなくて。
僕、社会人になってから。
殆ど、不感症に近い状態になっていたんですよ。
夏になっても暑いと思えない。
冬になっても寒いと思えない。
汗がだらだら垂れても。
鳥肌が立って身体が震え出しても。
身体は正直だなぁ。
くらいに思うのが関の山でした。
なのに、最近は。
すごく──寒いって思うんです。
ストーブ点けないと凍えそう、とか。
死んでしまうかもしれない、とか。
生命の危険を感じるように、なったんですよ。
……えぇ、なんででしょう、本当に。
死にたがりを卒業したのでしょうか。
『卒』業したのに?
おかしなモノです。
この感覚、久方ぶりなので。
戸惑っています。
あー……これも、そうでしたっけ。
生きてるって、そう言うことでしたっけ。
──嗚呼。
久しぶり、生きた心地。
また後で、死にたがり。