近頃、縁談を持ちかけられます。
なんとも難儀な話です。
……が、なんと言っても。
キッパリと断るのも、これはこれでさらに難儀なのです。
相手にも感情や思惑がありますから。
「この人なら断らない」と言う前提のもと話をしてくるかたばかりなので。
──と、言うことで。
遠回しに断ることにしています。
「そうなんですね、その人どんな人なんでしょう」
「へぇ、わたしみたいな人?──計算高いんですか?」
「わたしはそうですよ」
「相手に本当の目的を伝えるなんてことないですし」
「情報を引き出すために、こちらを誤解させることも屡々です」
「なので、わたしみたいな人と言うことであれば──そんな人なのかな、と」
……なんて。
あくまで、一例ですが。
本当のことしか言わないんですよ、こう言うときって。
嘘を吐いても仕方がないですし。
わざわざ覚えていなくてはならなくなりますから。
形成している顔の一部分を晒す程度であれば──相手の話から何を用いたかくらいは。
思い出して話を合わせられるのですが。
嘘吐いてたらまぁ、無理ですね──こう言うのは基本的に興味湧かないですもん、残らない。
……で、相手が断っていると勘付かなかったとしても。
一先ず、“自分みたいな人”なんて稀有すぎると会うことができますよね。
なので、こちらとしては得なのです。
だってわたしみたいな人ですよ?──そんな人、存在しますか?←
そして、相手が断っていると勘付いたとしたら。
もうそれは相手が稀有な人種にカテゴライズされるわけで。
その時点で、わたしにしてみれば得なんですよね。
ちゃんと考えることのできる人が近くにいるのであれば──それに越したこと、ないですし。
充足しているのであれば。
持て余すだけなんですから。
紹介されなくて結構、と言うことなのです。
──と、ここまで書いてて気付いたんですけども。
わたし、恐らく。
縁談を持ちかけてきたかたについて、なんとも思っていないですね。
相手がこちらを、なんて思っているかは分かりませんが。
わたし自身は、特に──友人、くらいのモノでしょうか。
そう言えば、「職場で知り合った人と友達になるってかなりハードル高いと思うんですよ」とぶっちゃけたら。
理解に苦しんでいたなぁと──いやぁ。
とてもいいことです。
理解できると思って、話さなかったので。
こちらの地獄に干渉してこないのであれば、それでいいのです。
わたしもあちらの地獄には、干渉しないので──ただ、それだけなのですよ。
……え、縁談?
わたしに×されてもいいのであればどうぞってトコですよ、あはは←